日本酒の雑学 ・徳利を持った信楽焼狸の「八相縁起」

2019.11.08

日本酒が
江戸時代の初期から
一般庶民も口にできるようになると
お酒を
酒屋さんに徳利をもって買いに行く
その使い走りを
こどもにさせたとのこと。
お寺の和尚さんも
酒屋で樽から徳利に注いでもらい
持って帰る役目を
小僧さんにお使いをさせたことから
(※小僧⇒年少の僧。小坊主。)
「酒買い小僧」という
イメージが生まれました。
信楽焼きの狸の置物は
その「酒買い小僧」の姿を
狸にしたものだそうです。
 
一説によりますと
徳利、あるいは通帳にある
「まる八」(丸の中に八)のマークは
尾張八郡を支配するという意味の
尾張徳川家の「裏紋」だそうです。
または
徳川家康のあだ名が
「タヌキ」であったことから
尾張知多半島の「常滑焼」で
「まる八」の紋を入れて
狸を造ったものが
人気が出てきたことから
それを模した狸の置物をつくり
意味がわからないままで
「まる八」と入れるようになった
という説もあります。
今では「まる八」は
「八相縁起」に結び付けられています。
笠は災難除け
腹は太っ腹等々
八つの縁起があるとなっていますが
これは昭和27年に
石田豪澄(イシダゴウチョウ)という人が
(※天台宗の僧。明治43年(1910)愛知県生。
駒沢大卒。日泰寺仏舎利泰安塔奉仕殿司
名城大学教授・図書館長を歴任。)
「まる八」紋に合わせて詠んだもので
そもそも「まる八」紋には
八相縁起の意味はないといいます。
さて
その狸の身なりの「八相縁起」。
八相縁起がどこで
どんな意味かと言うと
 
・笠(災難から身を守る)
・大きな目(周囲をよく見渡せる・見える)
・笑顔(お互い愛想良く)
・大きなお腹(冷静さと大胆さ・太っ腹)
・通帳(信用第一)
・金袋(金運)
・太い尻尾(しっかりとした終わり)
・徳利(人徳)
と言われています。
ページトップへ